牧師さんのノート08: 「復活祭で、どうして卵」




 私は矢板ホーリネス教会の牧師、田中敏信です。
今回は、「復活祭で、どうして卵?」というタイトルで書いてみます。

 キリスト教会のお祝いで、皆さんがよく知っておられるのが「クリスマス」、イエス・キリストご降誕の記念日ですね。次に有名なのは「復活祭」で「イースター」とも呼ばれるお祝いで、イエス・キリストの死からの復活の記念日です。ご参考までに、キリスト教会で大切なお祝いが、もう一つ。「ペンテコステ」といって、「教会の誕生日」です。
 クリスマスについては、ツリーとかサンタクロースとか・・、皆さんよくご存知ですね。それに比べるとイースター(復活祭)は、ちょっとマイナーです。そして「イースター(復活祭)のお祝いは卵で」というと、知っておられる方は「すごい!」という感じです。
 そこで、イースター(復活祭)と卵の関係です。
 聖書の中に、イエス・キリストの復活を「卵でお祝いしなさい」などと、教えられているわけではありません。もちろん「このようにお祝いしなさい」とも、書かれてはいません。(がっかりされた方がおられたら、申し訳ありません。)

 十字架の上で死なれたイエス・キリストは、『岩を掘って造った』墓に納められました。それが三日目の朝、墓の中からよみがえられた。
 この「岩の中に、命がよみがえった」というイメージを、「卵の殻の中に命がある」というイメージと、重ねているんですね。イメージを重ねるというとスマートですが、「つまり、こじつけですね」と言われれば、身も蓋もないような・・。
 別に卵にこだわらなくてもいいんです。イースター(復活祭)のイメージキャラとしては「ひよこ」や「うさぎ」も登場します。「うさぎ」って、寒い冬には地面の中の穴に住んでいますね。それが春になると、「穴から元気に飛び出て来る」というイメージが、イエス・キリストの復活に重なるわけです。
 でも、「かえる」というイメージは、ないようです。春になると穴から出て来て元気に飛び跳ねるですがねえ・・。しかも「よみ『がえる』」とか・・(失礼しました)

 キリスト教会が多いアメリカでは、3月から4月のイースターの時期には、デパートや街角のスーパーに、イースターグッズが並ぶそうです。中でもポピュラーなのが、卵形のプラスティックケースに入っているチョコレート、とか。
 ついでに、所変われば品変わるで、イエス・キリストの「お墓」。
 日本のお墓は、地面に穴を掘って、お墓の石でふたをします。それが、聖書の時代のイエス・キリストのお墓は、岩の壁に横穴を掘り込んだもので、蓋は「円盤型の岩の板」です。直径2メートルくらいの石の円盤らしいですから、重いでしょうね。

 それで、「イースターを卵でお祝い」です。特に教会学校では、イベントの一つになります。ゆで卵を使った、エッグデコレーションやエッグハンティングです。

 「エッグデコレーション」は、ゆで卵に飾り付けをします。
 シンプルな飾りは、色々な色のセロハンでゆで卵を包み、リボンで縛って仕上げをします。卵と一緒に小さなカードをいれておいても、たのしいでしょうね。
 黄色の折り紙や色画用紙で、ひよこの口ばしや翼の形を切って作り、真っ白なゆで卵に貼り付ける。かわいいですね。茶色いゆで卵に白い羽も、愛嬌がありますよ。
 あっ、ちょっと。ひよこの目をつける時には、気をつけたほうがいいかもです。卵の殻にフェルトペンで直接書くと、中までしみこんでしまいます。口ばしや羽を貼り付けるのも、工作のりが殻の中にしみこむかもしれません。

 さあ。私達矢板ホーリネス教会の「今年のエッグハンティング」はどうなるでしょうか。
 今年はゆで卵ではなくて、アメリカから送っていただいた「卵形のプラスティックケース」をハンティングです。
 どこかの教会では、近くの公園に隠して探すとか。また、庭を彫って、地面の中に卵を隠す教会もあるとか・・。
 私達はおとなしく、お天気がよければ教会の庭で。雨が降れば会堂のなかで・・。どうなるんでしょうかねえ。4月8日の、午後のお楽しみです。
 ちなみに、隠す予定のカプセルは50個。

 一つおまけで、卵を隠す係りの人に。
 顔の高さに卵を隠しておくと、なかなかみつかりません。窓枠の上とか、木の枝の中ほどとか・・。「さあ探してください」とスタートすると、子ども達も大人の人も、みんな下の方をきょろきょろみまわすんですよ。

 続く

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